インターネット上の教材について

熊本大学大学院2年 夏原 秀一

 インターネット上には実にたくさんの英語教育関連サイトがある。その中には非常に役に立つものもあれば、箸にも棒にもかからないものもある。そこで今回はその中から厳選して4つのサイトを紹介することにした。その中の3つは、特にライティング指導に役に立つと思われるホームページで、レベル的には中学校向け1つ、高校・大学向け2つとなっている。最後の一つは公立中学校・高校の英語の教員が開いているホームページで、学校間の垣根を超えた熊本県英語教育研究会の鹿本支部の活動を紹介しているものを取り上げた。

(1)Paradigm Online Writing Assistant (http://www.powa.org/)

 Chuck Guilfordが手掛けるライティングに関するホームページ。このサイトは4種類(informal essays, thesis/support essays, argumentative essays, exploratory essays) のエッセイをどのようにして書けば良いかの手がかりやストラテジーがふんだんに載せられている。これらのエッセイの書き方は各セクションに分けられていて、まず、それぞれどういう目的や動機で書くエッセイなのか、また、どのような人(読み手)に対して書くものかなど説明されている。そして次に、どのようなストラテジーを用いて書けば良いのかがかかれている。さらには、そのような手がかりやストラテジーを用いた実際の活動例が載せられている。例えばのthesis/support essays の場合は、The basic thesis/support pattern promotes clear, systematic thinking on a single subject and can therefore be helpful whenever you want to set forth ideas and facts in an efficient, orderly way. のようにそのエッセイの目的がセクションの最初に述べられていて、次にストラテジーの説明(To get started, don't worry about your subject--start writing. Let the process get messy and complicated. Allow yourself freedom to make mistakes.)がある(この場合はどのようにテーマを決めるかということ)。そして最後にそのストラテジーに関連した活動(Activities1.1 Make a five to seven item list of writing possibilities. Include one or two "off-the-wall" topics. For instance, if your assigned subject was the Civil War, you might list "strange army hats" as an off-the-wall possibility and later decide it could make a good essay. If possible, talk your list over with a partner or small group.)が附随している。このようないくつかのストラテジーに関するタスクを最後までたどって行くと、エッセイが書けるというわけである。

 このように、4種類のエッセイの背景的説明から活動まで詳細に述べられているので、高校・大学の先生でライティングの授業をどのようにすすめていけばよいか悩んでいる方や、大学生で英作文の力をつけたいと思っている人に特にお勧めである。

 

(2)Writing Help (http://www.hut.fi/~rvilmi/LangHelp/Writing/)

 フィンランドのヘルシンキ工科大学言語コミュニケーションセンターのRuth Vilmiが主催するホームページ (http://www.hut.fi/u/rvilmi/) 内にある、ライティングに関するページ。ネイティヴにしかわからない、あるいはネイティヴでも無意識に使っているライティング上の様々な制約についての情報がある。また、私的な手紙からビシネス用の手紙の書き方、アカデミック・ライティングに関する様々な手がかりまで盛り沢山である。

 その中でも特にWriting a resume or CV (Curriculum Vitae大学の先生が書くresume) のコーナーはビシネス関係で働く人や、ESP (特にbusiness English)のクラスを教えている人にとってはとても役に立つ教材となると思われる。また、Style Helpというコーナーの中の11 Rules of Writingは、英作文の時に必要不可欠な11のルール(コンマの打ち方やpunctuationにおけるきまりなど)が例文入りで説明されているので、生徒からそのような質問をされた時や、自分で英作文をしていて困った時に大変役立つと思われる。

 ただ問題点は、全て彼女の手で製作されたページではなく、多くのリンクページで関連情報を見る必要性があるので、すぐにそれらの情報が見れなかったり、中にはすでにデッド・リンク(URLが変更されて、見ることができなくなったページ)になっているところもある。またフォントの関係で読みづらいページがあるのも難点。

 しかし、ライティング関連の情報を集めたポータル・サイト(家の玄関のようなサイト、例を挙げるとヤフーなどのサーチエンジンに代表される)的なページであるので、これからのライティングの授業をどのようにしようかと迷っている方や、どんなライティング (academic writing, essay writingなど)を教えるかは決まっているが、その分野に関する具体的なアイデアが浮かんでこない場合は、ここが出発点となって必要な情報が入手できることは間違いないと思われる。

 

(3)PIZZAZ! - People Interested in Zippy and Zany Zcribbling (http://darkwing.uoregon.edu/~leslieob/pizzaz.html)

 オレゴン大学のLeslie Beckmanが主催する様々なライティングの活動に関するホームページ。 Poetry, Fiction, Bag of Tricksの3つのセクションに分かれていて、それぞれのセクションに英語の詩から俳句、フィクションを書く活動、また、セリフのない漫画に自由にセリフを書き加える活動などが豊富に載せられている。そのほとんどが初心者から使え、その全てに必要な教材やレッスン・プラン、作品例、また活動のバリエーションまで載せられているので現場の教師にとっては明日から使えることは間違いであろう。

 特に俳句を書かせる活動は、短い英語(単語2つ3つ)で書くことができるので、中学校1年生から使えるものとなっている。また、一人で俳句を作る以外にもグループで一つの俳句を完成させるやり方も載せられているので、インタラクティヴな活動にすることもできる。さらに、英語と日本語の俳句の違いについても述べられているので、国際理解教育にも十分対応できるものとなっている。

 また、フィクションでは、グループのメンバーひとり一人が直前の人が話した(書いた)ストーリーに付け加えて物語を創作していくという活動もあり、インタラクティヴで興味を引くような活動となっている。

 

(4)鹿本英語部会ホームページ (http://www.edu-c.pref.kumamoto.jp/ws/kamtesws/index.htm)

 熊本県の北西に位置する鹿本郡市の公立中学校、高校の外国語(英語)科の先生方が主催しているホームページ。ここでは、鹿本地区の英語部会の行っている年間活動(暗唱大会や研修、授業研究等)、姉妹都市オーストラリアへの夏休みホームステイ引率体験談(3週間、昭和52年より)やこの地区の生徒達の音楽を通した国際交流活動、また、この地区に勤務しているALTの自己紹介や彼/女等の最新情報が載せられている。さらに、鹿本地区にある中学・高校の学校紹介リンク集や、中学生の作った英語のスキットも載せられている。内容的にはまだまだの感もあるが、これからのこのページの成長に期待したい。

 現場の英語教師が各学校間の垣根を超えてどのような活動をしているかを知りたい人には手がかりとなるサイト。


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