インターネット教材リスト

熊本大学大学院2年 龍 ひろみ

0. はじめに

 今回のレポートでは、主に文法指導、語彙指導の教材として役に立ちそうなインターネットサイトを中心に取り上げた。英語の授業の中で、文法指導や語彙指導に割り当てられる時間は、学年が上がるにつれて、増えてくるように思えるが、生徒が実際にどれだけ身につけることができるかどうかは、生徒一人一人の取り組みにかかっているのではないだろうか。このように考えると、グループで、あるいは個人で取り組むことのできるインターネットサイトを利用した学習は、かなりこの文法、語彙指導には有効なものと思われる。

1. Fluency Through Fables http://www.lang.uiuc.edu/r-li5/esl/

このサイトは、reading comprehension の力をつけたり、あるいは語彙知識を増やすために有効なものである。まず、6つのおとぎ話が用意されている。タイトルは次のようなものである。

・The Donkey and the Grasshopper

・The Father and His Sons

・The Kingdom of the Lion

・The Musical Fisherman

・The Tortoise and the Hare

・The Thirsty Pigeon

このおとぎ話の各々が、高校生でも読めるレベルの英文であり、しかも6〜7分もあれば、十分に読み終えてしまえるぐらいの分量であるので、生徒が英文を読むことに飽きることなく、取り組める教材と言えそうである。

 この6つの物語には、それぞれ、Exercisesのコーナーが設けてあり、ここで生徒たちは、次のような4つのExercisesをすることができる。

1, Vocabulary Matching Exercises

2, True or False Comprehension Exercises

3, Vocablary Comprehension Exercises

4, Written Discussion Exercises

1と2は、物語そのものに関するExercisesである。1では、物語の中に出てきた語彙と選択肢にあげられている意味とを、すべて一致させるという活動である。このようにMatching の形式をとっているので生徒たちにとっては、一つの問題に対して複数の選択肢がある形式よりも、容易にExercisesをすすめていくことができるように思われる。2においては、物語の理解を問うもので、問題となっている例文が、物語の内容と一致しているかどうかをTrue or Falseの形式で練習していくものである。3は、1において学習した語彙を、違う文脈にあてはめていく、というものである。例えば、6番目の物語The Thirsty Pigeon において1のExercisesを行った生徒たちは、次に、その練習した語彙を、3における「炭酸飲料のコマーシャル」という全く別の文の中で、その語彙を使って、空白になった箇所を埋め、その文を完成させるというExercisesを行う。このような語彙に関するExercisesは、生徒にとっては、同じ語彙が異なる文脈の中で使われていることを体験できるという点で、生徒たちにとって非常に有効なExercisesであると思われる。4は、さらに発展的なWritten Exercisesとなっている。ここでは、各物語についてのテーマに関する質問が挙げられている。例えば、The Thirsty Pigeonの物語におけるExercisesでは、次のような3つの質問が用意されている。

・What is the moral of this fable?

・Have you ever had difficulty when you were too impatient? When?

・Describe a personal experience when it was necessary to move quickly to achieve a goal.

このような3つの質問から、自分の好きなテーマを一つ選び、実際に自分で英作文をすることになる。自分の書いた英作文に対する添削は、e-mailを通して後に返信されるという仕組になっている。このように、自分なりの英作文を試みることができることも、このExercisesの利点である。また、日頃、なかなか生徒一人一人の英作文を添削することのできない英語教師にとっても、魅力的なサイトであるかもしれない。

 

2、ESL QUIZ CENTER http://www.pacificnet.net/~sperling/quiz/

このサイトは、Grammar, History, Idiomsなど、文法、文化など、様々な分野に関するクイズが載せられているサイトである。文法指導においては、知識定着のためのドリル的な要素も必要となってくるが、このサイトを利用することによって、特定の文法事項を集中して練習することが可能である。特に、Grammarの分野におけるたくさんのクイズは、高校生でも十分に活用できるものとなっている。問題数は、ひとつのクイズにつき、10問ぐらいである。次に例を挙げる。

example If Sentence Quiz 1, by Dennis Oliver

Situation : Kathy wants to go to the movies but doesn't have any money.

"If" sentence : If Kathy ----- some money, she would go to the movies.

a. were have

b. would have

c. had

このサイトの利点として挙げられることは、生徒が自分のペースに応じて、問題を解くことができるということ、また、解き終えたらすぐに、自分の回答をチエツクすることができること、さらに、自分の正解率を数字ですぐに知ることができるという点である。一方、問題点として挙げられることは、正解、不正解の提示方法が、少しわかりづらいことや、さらに、各クイズにおいて、まだ理解が不十分なものに対するFollow-upが不十分である点などが挙げられる。もし、利用者が問題を解き終わったあとに、そのクイズでの文法の大事な点がどこであったのかを、すぐにFeedbackすることができるような工夫をすれば、利用者にとって、もっと使い勝手のよい教材になるように思われる。

 さて以上のように、このサイトは、文法知識の定着のためのドリル的な教材として利用可能であると述べたが、それだけでなく、また別の教材としての利用価値もあるように思われる。たとえば、World Cultureという分野においては、問題を解きながら、外国の文化を知ることができる。たとえば、次に例を挙げる。

example World Culture 1 Quiz

1, In the United States, a potluck party is ---------------.

a. a party where everyone sings

b. a party where everyone bangs on pots

c. a party where everyone brings some food to share

このクイズは、文法指導、語彙指導とは少し遠ざかるかもしれないが、その国の文化特有のvocabulary、たとえばa potluck partyなどを知ることができるという点では、幅広い語彙知識を身につけさせることもできるかもしれない。

 このサイトを使用する利点として、HistoryやScienceなどそれぞれの分野における語彙を学習することができるということが挙げられるが、実際に英語の授業において使用する場合には、やはり、最初に述べたようにGrammarの分野において、文法指導においてドリルとして活用するほうが、より実用的であるように思える。

 

3. Guide to Grammar and Writing http://www.lang.uiuc.edu/r-li5/esl/

このサイトは、英語を第二言語として学習する人たちのためにつくられており、レベル的にはかなり高いものである。しかし、中には、高校生の文法教材として、ドリル的に使用することができるものも見受けられる。このサイトは、全部で11の文法事項に関するcategoryに分かれている。その中のSpellingという分野を例にとりながら、説明していくことにする。

 まず、各分野の構成は、最初の前半部分において、その分野に関する文法上の詳しい説明が載せられている。例えば、Spellingの分野においては、まず、Some Rules and Suggestions about Spellingと題して、spelling に関する基本的事項が説明される。この説明は、かなり幅広く行われており、パソコンのspell-checkerの利用法から、British spellingとの違いなどということまで触れられている。もちろん、spellingに関するrules (-ingをつける前のeは落とす,など)も、一つ一つ詳しく説明されている。そのあと、spelling に関するクイズがいくつか設けられている。このクイズの中には、教材として利用することが可能なものもあるように思える。例えば、Spellingのクイズの一つに、-ingのつけ方を練習するクイズがある。クイズの形式は、問題として載せられている例文が正しいか、正しくないかを問う形になっており、問題の数は全部で20問である。

 このクイズの利点としては、Answer checkが視覚的に非常にわかりやすく示してあるという点である。正解のときの絵と、不正解のときの絵とが違うなど、見た目にも楽しいものとなっている。しかし、教材として使用するには、かなりレベル的に高すぎることが欠点として挙げられるかもしれない。例えば、Vocabularyの分野におけるクイズなどは、大学生にとっても、かなり難問である。このサイトでは英語が第二言語として扱われているので、生の英語に触れられる反面、日本の生徒にとっては、見慣れない難しい語彙が使用される側面はあるが、クイズの中には使用できるものもあるので、どのクイズが有効で、どのクイズがそうでないか、をしっかり見極めることが、教材として使用していく際には必要になるであろう。

 

4、ESL Cafe's・・・CookBook of Ideas for the ESL/EFL Classroom http://www.eslcafe.com/ideas/sefer.cgi

このサイトでは、ESL/EFLに関する各分野の指導法について、様々なideasを得ることができる。23のカテゴリーがあり、世界から寄せられた英語の授業についての519にものぼるideasが掲載されている。

例えば、Gamesというcategoryにダウンロードすると、授業で行うゲーム、例えば、Grammar Bingo、5/5 World Game Showなどのゲーム例がかなりの種類で掲載されている。

 次にGrammarというcategoryでは、次のような活動を見つけることもできた。

・Grammar Dice = ペアになった子供が、それぞれ相手の紙に書いてある単語が何かを当てるゲーム

・Memory Game = 一つの文を少しずつ長くしていきながら、順番に暗記していくゲーム。何度も同じフレーズ を繰り返しながら、練習できる。

このように、このサイトに掲載されている活動の特徴としては、主に、小学校、中学校前半の子供たちが楽しんで行うことのできる活動が多い、ということである。改善点としては、それぞれの活動にたいして、文字だけの説明となっているので、worksheetを掲載するなど、図を使って説明されれば、教師にとってもっと、使いやすいアイデア集になるように思える。


Home