熊本大学教養教育改善充実特別事業
「マルチメディアを活用したコンピュータ支援型外国語学習の導入と教授法の開発」

熊本大学マルチメディア利用の外国語教育開発プロジェクト 平成10年度・平成11年度
代表:樋口康夫(法学部)
メンバー:福澤 清(文学部)・島谷 浩(教育学部)・登田龍彦(教育学部)・ラウカウスキー・テリー(教育学部)・吉田 勇(法学部)・松永優司(法学部)・江端正直(工学部)・櫻田一之(工学部)・梅田 泉(留学生センター)・森 保夫(学生部)・安浪誠祐(熊本電波高専)

プロジェクトチームが主催した講演会が下記のように開催されましたので、御報告いたします。


<第1回熊本大学CALL講演会>

演 題:  WEBを利用した英語教育

講演者:  北尾 謙治 教授(同志社大学 言語文化教育研究センター) 

 平成11年11月5日(金)16:30 から18:00まで、熊本大学総合情報処理センターにおいて、北尾謙治教授に「WEBを利用した英語教育」という演題で、講演をしていただいた。講演の中心は、北尾先生と奥様のS. Kathleen Kitao先生が作成したWEBページ“On-Line Resources and Journals: ELT, Linguistics, and Communication ”に集められた情報を利用した英語教育についてであった。このWEBページは、CALLの分野では世界的に高い評価を受けており、海外からのアクセスが非常に多いことでも有名である。

 先ず、他者と莫大な情報を共有する場として目覚ましく発展をとげたWEBの有益さが紹介されたが、本当に役にたつ情報が欲しい場合には、自ら進んで議論に加わったり、問題提示する必要があるという指摘は、ネットワーク空間で積極的に活動を続けておられる北尾先生ならではの印象深い意見であった。英語教育におけるWEBの有用性については、次のようなページが役にたつ情報を提供する。

 WEBを利用すると情報の収集、発信が、迅速にかつ簡単に行なえるため、さまざまな授業展開が可能となる。教師の立場からは、教材の整理や提示、クラスの準備や運営などに欠かせないものとなるであろうし、学習者は、本物の英語にふれ、意味のあるコミュニケーションを実践するために欠かせない場となる。英語教育に関係するサイトは、下記のようなページからリンクされて、多くの情報を入手することができる。

 また英語リスニングの個人学習のための優れたサイトとしてRandall's ESL Cyber Listening Lab、学習者に有益な情報として海外留学情報早期英語教育に関するページ、さらに先生が指導された学生が作成したページなどが紹介された。

 WEBを活用した教育を行う際の注意点としては、WEB上には、無駄な情報も多く、時には有害な情報も放置されているので、利用者は情報を取捨選択する能力を身につける必要があるということ、またそのことを自らの情報発信の際にも注意しておくべきという点が強調された。

 最後の質疑応答でWEB上の著作権についての議論があった。WEB上の情報の取り扱いには、原則がはっきりしていない面もあるが、利用者はマナーを守って情報を活用していく必要があること、そしてWEB上で入手できる英語教材を著者の許可なしに勝手に複製してコンピュータ以外の媒体で利用してはいけないことを明確にされた。

 講演参加者は57名で、その内訳は、教官と一般からの参加が16名、英語教員志望の学生が41名であった。講師の北尾先生が紹介されたインターネット上に構築された英語教育関係の情報量の豊富さと質の高さに、参加者はやや圧倒された感があったが、インターネットを利用した英語教育の効果と可能性がよく認識できたとの声が多く聞かれた。


<第2回熊本大学CALL講演会

演 題:  CALLラボラトリ−の管理運営、授業形態、直面する課題

講演者:  野澤 和典 教授(立命館大学 経済学部)

 平成11年12月3日(金)16:30 から18:00まで、熊本大学総合情報処理センターにおいて、野澤和典教授に「CALLラボラトリ−の管理運営、授業形態、直面する課題」という演題で講演をしていただいた。

 野澤先生は、マルチメディア教材が利用できるラボラトリ−が急速に設置され、様々な形態で活用されつつあるが、その管理運営は決して容易ではなく、様々なレベルでの支援が求められる一方、新たな教育環境を有効に活かすためのカリキュラムや授業内容が提供されなければならない点を力説された。さらに、先生自身のCALLラボラトリ−構築や管理運営経験と現在実施中のカリキュラムに基づき、問題点を明らかにし、今後の積極的な教育現場への導入に向けた改善策案・助言を提供された。 

 CALLラボラトリ−の管理運営方式としては、自主管理方式(恒常的な予算配分を得て、教職員やアルバイト学生が維持管理をする)、専門部門管理方式(独自管理方式:担当職員やアルバイト学生を配置し、独自に維持管理する方式または、独自管理方式+アウトソ-イング方式:ラボラトリー一部の管理委託、そして完全管理委託方式(アウトソ-イング方式:ラボラトリー全部の管理委託)の3つの形態が提示され、それぞれの管理運営上の問題点が指摘された。

 先ず、自主管理方式の場合、十分な人材が確保できるか、担当者特有の環境になっていないか、維持管理のための予算が確保されているか、利用者(教員)とのコミュニケーションをとる体制が確立されているかが挙げられた。専門部門管理方式(独自管理方式)の場合も、十分な研修などを受け、専門的な知識と技能を持ちあわせた職員が配置されているか、十分な研修を受けたアルバイト学生の確保が可能か、そして利用者(教員)とのコミュニケーションが十分に図られる体制ができているかが挙げられた。完全管理委託方式の場合は、専門部門管理方式に加えて、十分な専門的知識と技能を持ちあわせた職員と派遣会社の社員が配置されているかが問題となると指摘された。

 CALLラボラトリ−の授業形態としては、外国語教育・学習利用のみのスタイルが理想的であるが、2002年に中学校で「情報処理」が必須に、2003年に高校で教科「情報」が導入されるため、現在は、過渡的状況で、コンピュータ・リテラシー基礎教育と外国語教育・学習が融合したものとなっているものが多いようである。インターネットあるいはイントラネットを利用した授業形態例として次のような野澤先生のCALL授業形態が紹介された。

 予想される問題の解決法として、1) 専任教員・常勤講師・非常勤講師・補助学生スタッフへの定期的な研修・連絡網の構築、2) 教材開発費と教材開発補助スタッフへの予算確保、3) 教材開発補助スタッフの確保、事務局との協議と支援の確保、4) ソフトウエア、ハードウエアのバージョンアップへの予算確保、5) 教材内容の定期的な点検・評価、6) 授業公開(オープン・クラス)と事後研究会の定期的開催及び報告書の作成などの総合的な対策の必要性が主張された。

 講演参加者は56名で、その内訳は、教官と一般からの参加が20名、英語教員志望の学生が36名であった。野澤先生が、紹介されたCALLラボラトリ−の管理運営、授業形態、直面する課題などに関する最新の情報は、豊富な経験に裏打ちされていて説得力が十分であった。


<第3回熊本大学CALL講演会>

演 題:千葉大学で開発されたCALLのための指導理論、教材開発

講演者:椎名紀久子 助教授(千葉大学 外国語センター

平成12年3月10日(金)16:30 から18:00まで、熊本大学総合情報処理センターにおいて、椎名紀久子助教授をお呼びして講演をお聞きする機会にめぐまれた。千葉大学は、CALLに関して全国的に有名で、平成8年度には、大学英語教育学会(JACET)よりJACET賞(実践賞)を受賞しています。椎名先生には、懇切丁寧に、CALL授業の理論と実践について御教授頂きました。


<第4回熊本大学CALL講演会>

演 題:コーパスを利用した英語教育と研究

講演者:滝沢 直宏 助教授(名古屋大学大学院 国際言語文化研究科)

 平成12年3月17日(金)16:30 から18:00まで、熊本大学総合情報処理センターにおいて、滝沢直宏助教授に「コーパスを利用した英語教育と研究」という演題で講演をしていただきました。講演のハンドアウト及び資料は、滝沢先生が公開されておられる次のページで御覧下さい。[ http://www.lang.nagoya-u.ac.jp/~takizawa/kumadai/ ]


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