熊本大学教育学部心理学専修のご案内
 
                            

心理学専修案内

「心理学」は,英語ではpsychology,ドイツ語ではpsychologieと言います.その語源はギリシャ語のpsycheとlogosにあり,「心の学問」という意味です.「心理学の過去は長いが,その歴史は短い」という有名な言葉もあり,心の問題についての関心は,人類の歴史とともに非常に古くからありました.しかし,心理学が独立した学問領域としてスタートしたのは19世紀の終りになってからでした.
 ヴント(Wundt, W.)というドイツの生理学者が,1879年にライプチヒ大学に世界最初の公式の心理学実験室を創設した年をもって,心理学が科学として出発した年とされています.ヴントは研究対象として「意識」を重視し,その意識がどのような「心的要素」から構成されているかを分析することによって,意識の構造を明らかにしようとしました. 研究方法として, 実験条件下で生じた自分の意識を観察する方法(内観)を重視しました.世界中から,たくさんの学者が彼のもとで研究し,それぞれの国に帰って心理学研究室(実験室)をつくり,各国に心理学が普及しました.日本も例外ではありませんでした.
 ところが,間もなくして,20世紀に入って早々,ヴントが主張した「意識」の研究は否定され,無意識を重視するフロイトの「精神分析」が誕生しました.また,「心的要素」を分析し,その結合の法則を明らかにしようとした考え方も否定され,全体としての形態を重視する「ゲシュタルト(形態)心理学」(ウェルトハィマ一などによる)が誕生しました.研究方法として重視した「内観」という方法も否定され,「行動主義心理学」(ワトソン)が提唱されました.これらの3つの学派は,現代心理学の 「3大潮流」と言われており,さまざまに分化した現代心理学の基礎となっています.
 心理学の主な部門:知覚,生理, 思考,学習,・発達,教育,・臨床,人格,犯罪,矯正,・人間関係,社会,産業,文化,・測定,評価,・方法,原理,歴史,一般

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1.心理学専修の組織とスタッフ
 
 熊本大学教育学部学校教育(心理学専修)には,「教育心理学」,「発達心理学」, 臨床心理学」の3つの分野があり,教官は,「教育心理学」に2人,「発達心理学」に2人,「臨床心理学」に2人の計6人が配置されています.また,文学部人間科学科所属の2人の教授が兼担で,心理学基礎関係の講義を分担しています.その他,毎年2人の学外からの非常勤講師の応援を得ています.(文末・平成17年度教員構成を参照)
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2.心理学を専攻するためには?

 心理学を専攻したい場合には,従来は,学部2年次に進学する時点で,本人の志望と教養部での単位取得状況および成績を参考にして決定していましたが,平成9年3月をもって教養部が廃止されたのを契機にして,1年次(入学後)に決定されることになり,平成10年度からは,志望についての予備調査やガイダンスを経て,10月から12月までの3ヶ月をかけて決定しています.
 熊本大学教育学部には,国語,社会,数学,理科,音楽,美術,保健体育,外国語,技術,家庭などの中学校や高等学校で学んだ教科の教員養成を目的にした学科のほかに,教育学や心理学など,高等学校までは学んだことのない新しい領域もあります.教育学と心理学を勉強したいコースを, 熊本大学の教育学部では,「教育学専修」,「心理学専修」と呼び,副専攻の一つに位置づけています.
 本来は 小学校教員養成課程および中学校教員養成課程の学生が副専攻のかたちで心理学を専修できることになっていますが,心理学専修の開講授業と中学校教員養成課程の開講授業とが時間的に重なることが多いために,実質的には中学校教員養成課程の学生が心理学を副専攻とすることはむずかしいと言えます.したがって,中学校教員養成課程を主専攻とした学生で心理学に強い関心をもっている人は,教職科目の心理学関連の科目をできるだけ受講するとか,空いている時間に心理学専修のコースに開講されている授業を聴講するとかすることによって,大学院の学校教育(心理学系)に進学することをお勧めします.

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3. カリキュラム

 心理学の授業は,大きく「心理学基礎」「教育心理学」「発達心理学」「臨床心理学」の4分野に分かれます。なお,教職必修や選択科目での心理学関連の科目には,教育心理学,学校心理学,学習心理学,教育方法・技術,生徒指導の心理学,教育臨床心理学,教育評価,幼児教育指導法,教育情報科学などの講義が開講されています.

<心理学基礎>
 「心理学基礎」の分野には,心理学全般を眺め基礎的学力を身につけるための講義と実験があります。「心理学史」と「心理学研究法」では心理学の歴史と研究方法について学びます。「心理統計法」では,実験や調査によって得られた数量的データの解析方法について学びます。「心理学実験」は,次の3期から構成されます。(T)人間の知覚や記憶などの基礎実験やグループワークなどの集団実験を通して測定と分析の方法について学びます。(U)教師の振る舞いを子どもの視点から対象視しながら,教授と学習に関する実験計画の立て方を学びます。(V)調査データ等を解析するために必要なプログラミング言語の習得を目指します。また,様々な臨床現場を見学し,臨床の実践領域についての知見を深めます。

<教育心理学>
 「教育心理学」の分野では,「教育心理学特殊講義」で学校での教師の教授活動と子どもの学習活動・発達のかかわりについて検討します。また,教師のリーダーシップや学級集団の特質を考えたり,組織,地域,社会,文化といった広い視野から個々人の(学習)行動や人間関係を把握するための方法について学びます。「教育心理学演習」では,国内外の教育心理学に関する論文を講読し,教育に関する諸活動について考察します。

<発達心理学>
 「発達心理学」の分野では,「発達心理学特殊講義」で環境文化要因が人間の社会化に及ぼす影響過程や人の社会的動機の測定法や検証法について学びます。また,生涯発達的観点から様々な人間関係の形成や認知と情動の発達プロセスについて学びます。「発達心理学演習」では,国内外の発達心理学に関する研究論文を講読して,人間の発達とは何か深く考えます。

<臨床心理学>
 臨床心理学分野では、「臨床心理学特殊講義」で臨床心理学における特別なトピックやアプローチについて、その歴史的発展と理論の概要の講義があり、心理アセスメント・カウンセリング・サイコセラピーなどの実践方法を学びます。「臨床心理学演習」では、不適切な行動や症状のメカニズム、心理アセスメント、各種カウンセリングをロールプレイを用いて実習したり、それらの事例研究を討論したりして学習を深めます。「心理学実験V」では、主としてグループ・ワークを体験学習します

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4. 就職先/OB

これまでの心理学専修の卒業生は,教職,心理臨床,公務員,放送関係,一般会社など種々な分野で活躍しています.
教職関係領域:幼稚園,小学校,中学校,高等学校,短大・大学の教員
心理臨床領域:県総合福祉センター,県精神保健福祉センター,熊本県立こころの医療センター,熊本県こども療育センター,情緒障害児短期治療施設子どもL.E.Cセンター,少年鑑別所,少年院,家庭裁判所,各種病院(精神・神経科病院,心療内科,小児科など)
公務員:県庁,市役所,郵政局,税務署,税関など
民間会社:コンピュータ関係の企業,マスコミ関係(TVアナウンサーなど),銀行,損保会社,証券会社など.RKKのアナウンサーの福島絵美さん,元TKUアナウンサーの池田道子さんも心理学科の出身です.
芸能界:女優として活躍している斎藤慶子さんも,本学部心理学科の出身です.
大学院進学:九州大学,京都大学,広島大学,名古屋大学など他大学の大学院博士課程に進学し,大学の教員となり研究に従事している人,臨床心理士の資格を取得して,心理臨床の場で活躍している人など,さまざまな分野で活動しています,
熊本大学に合格する基礎的な能力があるならば,本人の自覚と努力次第で多様な進路が用意されています.

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5.資 格

認定心理士(社団法人日本心理学会認定)学部レベルの取得単位により認定
臨床心理士(社団法人日本臨床心理士認定協会認定)大学院修士レベル十実務経験十試験
学校心理士(日本教育心理学会等5学会連合資格「学校心理士」運営機構認定)大学院修士レベル+試験
その他,学校教育専攻(心理学系),熊大文学部人間科学科「認知心理学分野」のホームベージ参照

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6.心理学専修教員構成

教育心理学
教授 知久馬 義朗  教育学博士
助教授 八ッ塚 一郎 博士(人間・環境学)
発達心理学
教授 篠原 弘章  博士(文学)
助教授 藤田 豊 博士(教育心理学)
臨床心理学
教授 柴山 謙二 教育学修士
助教授 藤中 隆久 教育学修士
心理図書室
事務補助員 土屋 亜衣
大学院担当教員「教育臨床心理学」分野
教授 緒方 明 博士(医学)
助教授 高原 朗子 教育学修士
助教授 干川 隆 教育学修士
非常勤教員
臨床心理学特殊講義I(2〜4年生開講)
学校臨床心理学特論(大学院1,2年)


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