2009/05更新

はじめに

 三宅島は、20世紀に入ってからは1940年、1962年、1983年と約20年おきに 噴火を起こしましたが、比較的短期間で噴火活動は終息しました。 2000年の火山活動も2000年6月26日から火山性地震が群発し始めましたが、 翌27日に確認された海域における山腹割れ目噴火で活動は終了したと思われ、 29日には三宅島島民に対する避難勧告も解除されるに至りました。 ところが、7月に入ると三宅島島内下部における地震活動が再び始まり、 7月8日18時41分ごろに山頂部で噴火が起こって以降、 8月には10、 18、 29日にそれぞれ海抜8、14、8 kmに達する大きな噴火が起こり、 29日の噴火では島の北部で低温の火砕流が海岸まで流下したため、 9月1日に島民の全島避難が決定されました。その後、大きな噴火は起こりませんでしたが、 高濃度の火山ガス放出が続き、2005年2月に避難指示が解除されるまでの4年5ヶ月間、 全島避難が続きました。
 2000年の8月下旬には三宅島起源の火山ガスが長距離輸送されて関東の広範囲に飛来し、 9月には中部地方や北陸地方にも飛来したことが大気環境常時監視測定局のデータや シミュレーション研究によって明らかになっています。
 また、2000年8月18日の爆発噴火では、国際航路の航空機に損傷を与えました。火山灰を 多く含む爆発噴煙は、航空機の機体損傷やエンジンの推力低下・作動停止の原因となり、 航空機の安全航行の障害となります.空中火山災害を防止するうえで、噴煙の移流拡散および 高度情報を正確に把握することが重要です。
 ここでは、三宅島2000年噴火以降の研究成果を画像を中心に紹介します。


左の目次から選択してください。
<研究内容>
◆2000年噴火と噴煙高度,火山ガス輸送のページでは、
2000年の三宅島噴火について、衛星画像や気象データ、噴煙観測情報などを基に、 噴煙の高度やメソスケールの火山ガスの輸送について解析した結果を示します。
◆高濃度火山ガス事象の解析のページでは、
三宅島山麓部における二酸化硫黄(SO2)濃度の推移 や高濃度SO2発生と八丈島高層風との関係、高濃度SO2発生の 季節的・地域的な特徴を示します。
◆ハザードマッピングのページでは、
植物は火山ガスの影響をよく反映することを利用して、2000年三宅島噴火の前後に 撮影された衛星画像に示される植物の分布の変化から作成した高濃度火山ガスの ハザードマップを示します。
◆現地調査のページでは、
2005年5月21日〜22日と2008年4月29日〜5月1日の三宅島調査で可視・近赤外撮影した 静止画や動画を公開しています。

<公表物リスト>
◆論文・報告書のページでは、
2000年の三宅島噴火以降に発表した文書のpdfファイルを掲載しています。
◆ウェブサイトのページでは、
「三宅島噴煙のNOAA画像」や「高温型火山ガスについて」のページへリンクや、 桜島やその他の火山についての研究や地上観測のウェブサイトへのリンクもあります。
<はじめに>
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