本校3年目、算数科の津川です。今年度は6年生の担任をしています。
昨年度は「式で表すことのよさ」を実感するために、「角柱と円柱」の単元と「変わり方調べ」の単元をつなげる構成を考えました。その単元名は「つまようじタワーを設計しよう!」です。角柱と円柱の単元において、揺れや重さに強い構造を調べ、最後に変わり方調べにおいて、自分たちのつまようじタワーを完成させるのに必要なつまようじの本数を式を用いて調べていきました。
本時では、必要なつまようじの本数を式を用いて計算している姿を取り上げるところから始めました。本来は30階ほどのつまようじタワーを作りたいという思いが表出するだろうと考えていたのですが、単元を通して実際につまようじタワーを作り上げていく経験をしていたため、「5階くらいがいい」との意見に留まってしまいました。
昨年度はこのような問題場面の開発において数学化を行う場面を生み出すことにより、自分たちが解決した結果を自ら意味付けを行うことの動機付けになることが明らかになってきました。しかし、現実の場面扱うことによる対象の複雑さが生じてきました。具体的には以下の3点です。
・様々な思いが表出したことによる課題設定の複雑さ
・表出する数学的な見方・考え方の複雑さ
・現実の事象を扱うことによる数学的表現の複雑さ
上記の複雑さは子どもたち同士の対話において、お互いのイメージを共有することの難しさへとつながりました。
そこで、今年度は算数科の研究テーマにある数学的価値を共に見いだしていくために、「学び」をデザインしていくことを考えています。特に課題設定について焦点を当てていきます。
上記に示した3つの複雑さの入り口になる課題設定をよりシンプルにすることにより、問題場面の開発において生じた複雑さの解消へのアプローチになるのではないかと考えています。
6年生の学びは、小学校の5年間で培ってきた数学的な見方・考え方の引き出しがより多くなってきます。
「正三角形」1つにおいても、
・3つの辺で囲まれた図形
・1つの角は60°
・内角の和は180°
・底辺×高さ÷2
・敷き詰めると正六角形 etc…
ここに新たに線対称という見方も出てくるのではないでしょうか
子どもたちが今まで培ってきた見方・考え方を豊かに働かせ合い、それらの見方・考え方を響かせ合う中で、よりよい数学的価値を追究する新たな学びを、子どもたちと共に、たのしみ続けていきます。