本校2年目になりました。今年度も、4年生の理科の授業を担当しています。
子どもたちの好奇心を大切に、子どもたちと一緒に理科を楽しんでいきたいと思います。理科は、学習する対象が自然の事物・現象です。身の回りにあるのが当たり前と思っていたものでも、改めて見つめ直してみると、実はよく見ていなかったということに気づけたとき、理科の学びのスタートとなるのではと考えています。
昨年度、「電気のはたらき」を4年生の子どもたちと一緒に学習しました。モーターカーを作る中で、乾電池の向きによって進む向きが変わることに気づきはじめました。さらに、どのようにつなぐと、前後どちらにモーターカーが進むのか、言葉で説明しようとする子どもたちに、モデル図で表すことを提案すると、モーターカーを走らせる「電気君」の存在を考える子どもが出てきました。流れる電気のことを子どもたちなりに表現したものでした。
その後の、直列つなぎと並列つなぎの学習でも、このような会話がありました。
ゆうや:直列つなぎの時は、この乾電池から出た電気君がモーターに行って、それと同時にもう片方の乾電池から出た別の電気君が、
さっきの乾電池を通ってモーターに行って、次々にモーターに電気君たちが行くと思います。
あやな:並列つなぎの時は、それぞれの乾電池から出た電気たちが、途中で一緒になっているんじゃないかなと思います。
もえか:電気君たちが出会う感じだと思います。私たちも、道でばったり出会ったら「あっ、こんんにちは」ってなって走るスピード
は落ちちゃうから。
つなぎ方と電流の大きさの関係について、電気君の導線を辿る様子を自分たちの経験に例えながら考えを深めている子どもたちにとって、今まで当たり前に身の回りにあった電気が、当たり前ではなくなっているのではと感じた時間でした
このような経験をした子どもたちは、様々な事物・現象に立ち止まり、自分の目で見て、触れて、確かめ、感動するのではないかと思います。この理科で身につけた様々なものを見つめ直していく力があれば、世の中のものごとを自分の目で見て確かめたいと思うでしょう。そんな好奇心と素直さを持って、豊かに生きてほしいなと願っています。
子どもたちが、実験や観察が楽しかったと思うだけでなく、理科で身につけた力を使って次の疑問が生まれてくる、そんな学びを一緒に楽しんでいきたいです。